睡眠薬、睡眠導入剤、安定剤の違いは?

疑問
睡眠導入剤と安定剤は睡眠薬の一種です。
睡眠薬の中でも作用する時間が短いものが一般的に睡眠導入剤といいます。
また、睡眠薬の中でも不安になることを抑える作用があるものを安定剤と呼ばれます。

睡眠薬の効果は2種類

現在よく使われる睡眠薬・睡眠導入剤は、主にベンゾジアピンという成分を含んでいるか、または、ベンゾジアピンと同じ働きをするように作られた薬です。
睡眠薬の効果には「穏やかに眠りに誘う効果」と「不安を和らげて精神を安定させる効果」の2種類があります。

穏やかに眠りに誘う効果

自然に近い状態で、穏やかに眠りに誘う効果が強いものを睡眠導入剤として主に使います。
睡眠導入剤は睡眠薬の中でも、作用する時間が短いものを言います。
主に寝つきが悪い人に使われます。
睡眠薬度同様に、夜中に目が覚めてしまう、朝早くに目が覚めてしまう、ぐっすり寝た気がしないといった不眠の症状にも効果があります。

不安を和らげて精神を安定させる効果

不安や興奮状態が原因で不眠になる状態を改善するために、主に安定剤が使われます。
不眠症の改善だけでなく、うつ病や精神疾患などの治療にも使われます。

睡眠薬を飲んでいたらふらふらになるのでは?

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質問

疑問睡眠薬を飲んでいたら呆けるのではないか心配です。

回答

睡眠薬で呆けることはありません。
睡眠薬を飲んだ後のことを思い出せないなどの症状が現れることがあり、この症状で呆けたと誤解されることがあります。

解説

睡眠薬の正しい飲み方

医師・薬剤師の指示に従って

説明
睡眠薬の服用に関しては、医師や薬剤師の指示に従いましょう。
効果が得られないからと言って量を増やしたり、眠れるようになったからと言って量を減らしたり、服用を勝手に減らしてはいけません。
場合によっては不眠の症状が悪化することもあります。

飲んだらすぐに就寝の準備を

睡眠薬服用後は少なくとも30分以内に寝るようにしましょう。
自分にとっての就寝時間に合わせて服用し、薬を飲んだ後には家事などの作業はしないで寝床につきましょう。
無理して起きていると、ふらついたりその間のことが思い出せない場合があります。

睡眠薬の副作用とは?

内服薬

質問

副作用が怖くて睡眠薬に手を出せません。
睡眠薬の副作用にはどのようなものがあるのでしょうか。

回答

睡眠薬に限らず、「薬」と名のつくものには副作用があります。
しかし、最近の睡眠薬は以前のものに比べ安全性が高く、医師の指示通りに正しく服用すれば通常副作用の心配はほとんどありません。
ただし注意力や集中力、運動機能の低下やふらつき、倦怠感などの症状が現れたときにはすぐに医師、薬剤師に相談しましょう。

解説

漢方薬などのどんな薬にも副作用があります。
睡眠薬にも次のような副作用が知られています。

  • 注意力、集中力、運動機能の低下
  • 眠気
  • ふらつき
  • 頭痛
  • 倦怠感、脱力感

このような副作用とみられる症状が現れたときには、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。
薬剤師に相談
症状を改善するための薬や生活習慣に対するアドバイスをもらえるかもしれません。
また、睡眠薬の中でも比較的効力が弱いものに交換してもらえるかもしれません。
睡眠薬に全面的に頼るのではなく、睡眠薬以前に生活習慣など、自分から見直すことも必要なのではないでしょうか。

睡眠薬はだんだん量が増えていくもの?

薬

質問

睡眠薬はだんだん量を増やさないと効果がなくなってしまうものなのでしょうか。

回答

現在使用されている睡眠薬は安全性が高く、癖になって量を増やさないとだんだん効かなくなるということはほとんどありません。

解説

現在と過去の睡眠薬を比較してみましょう

現在の睡眠薬

「ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」等
安全性が高く、癖になって量を増やさないだんだん効かなくなるということはほどんどありません。
医師の指示に従って計画的に量を減らすことができます。

過去の睡眠薬

「バルビツール酸系睡眠薬」等
優れた睡眠作用を有する一方、繰り返し使用することにより薬剤の効果が減退したり、止められなくなりやすかったです。
依存性が高かったといえます。

睡眠薬は依存性があるのではないか?

質問

睡眠薬は一度飲み始めると、一生止められなくなるのではないですか。疑問

回答

睡眠薬やそのほかの生活習慣の改善などで、眠れるようになれば薬を飲み続ける必要はなくなります。
ただし、眠れるようになったからと言って、自分の勝手な判断で睡眠薬の服用を突然中止すると、以前よりも不眠の症状が悪化することもあります。
睡眠薬の使用も停止も、必ず医師に相談しましょう。

解説

現在の不眠治療は睡眠薬を使った薬物療法が中心です。
睡眠薬は一度使い始めると、それなしでは眠れなくなるのではないか、次第に量が増えていくのではないか、と不安に思う人もいるかもしれません。
しかし、それは過去のことです。
かつて用いられていた睡眠薬は効果が強力な半面、副作用も強いなど安全性に問題がありました。
現在広く使われている睡眠薬は不安や緊張・興奮を和らげて眠りに導くものなので、自然に近い眠りが得られます。

こんな飲み方をしてはいませんか?

アルコールと一緒に飲む

睡眠薬をお酒と一緒に飲むと、激しい脱力やふらつきが出たり、異常な行動をしたり、記憶が抜けたりすることがあります。
危険ですので、絶対に避けましょう。

途中で起きなければならない場合は、飲まない

薬を飲んで眠っているときに起こされると、その前後の記憶が抜けたりすることがあります。
原則、睡眠薬を飲んだら途中で起きないようにしましょう。

睡眠薬はどれも一緒か?

質問

睡眠薬はどれでも一緒でしょうか。内服薬
友人や家族と共有してもいいでしょうか。

回答

睡眠薬の効果はどれも一緒というわけではなく、患者一人一人の症状に合わせて適した薬が処方されています。
そのため、他人用に処方された睡眠薬を共有するのは止めたほうがいいでしょう。

解説

医師が処方した睡眠薬は、いろいろな要因を考えて処方されています。
適切な薬でないと症状が悪化する可能性があります。
ほかの人との睡眠薬のやり取りはしないでください。
不眠の症状に悩むようなら、自分の症状を医師に相談して、自分に合った薬を処方してもらいましょう。
また、睡眠薬の譲渡は法律で禁止されている行為です。

症状別の分類

  • 寝つきが悪い→超短時間型・短時間型の睡眠薬
  • 夜中に何度も目が覚める、早朝に目が覚めてその後寝付けない、熟睡した感じがない→中時間型・長時間型の睡眠薬