眠りを妨げるものを避けましょう

睡眠を妨げる可能性のあるものは、何もカフェインやニコチンだけではありません。
病気を治すための治療薬が不眠を伴うことがあります。
睡眠を妨げる薬としては降圧剤、甲状腺製剤、抗がん剤などがあります。
また、抗ヒスタミン剤には日中の眠気を誘う成分が含まれています。


刺激物を避けよう

コーヒーや紅茶に含まれるカフェインや、たばこに含まれるニコチンには睡眠を妨げる作用があります。禁煙
カフェインには利尿作用もあり、トイレが近くなるので、夜中にトイレに行きたくなって起きる…という危険性もあります。
寝ようとする時間の前約4時間前にはカフェインをとらないようにしましょう。
寝ようとする時間の前約1時間の喫煙は避けるようにしましょう。


薬での不眠は、かかりつけ医に相談を

医療従事者
治療薬として、飲んでいる薬で不眠の症状を感じた場合には、かかりつけに医師に相談しましょう。
治療薬を不眠の成分が含まれていないものに変えてくれるかもしれませんし、不眠に対するアドバイスをしてくれるかもしれません。


不眠の可能性がある治療薬

  • 降圧剤・・・高血圧の治療に使われる
  • 甲状腺製剤・・・甲状腺の病気に使われる
  • 抗がん剤・・・悪性腫瘍=ガンの増殖を抑えるために使われる

睡眠時間は人それぞれだと心得て!

なかなか眠れないことに不安を感じるばかりではなく、睡眠時間には個人差があると心得ましょう。
○時間眠りたいなどの目標を立てずに、自分が眠たくなった時に眠るように気を楽にしましょう。
どうしても眠たくならないときには思い切って寝床から出るのも構いません。


日中の眠気で困らなければOK

今の自分にとって日中調子よく過ごせるための睡眠時間がどの程度かを知ることが大切です。快眠
睡眠時間は人それぞれで、年齢によっても異なります。
日本人の平均睡眠時間は7時間程度ですが、3時間ほどの睡眠で間に合っている人もいます。
10時間ほど眠らないと満足できない人もいます。
極端に睡眠時間を削ったり、逆に体と脳がそこまで睡眠を欲していないのに、健康のためにと睡眠時間を必要以上に長くしようとすると、睡眠トラブルの種になります。


眠れない恐怖を断ち切る!

眠れない日が続くと「また今日も眠れないのではないか」と不安になり、「早く眠らなければ」と焦れば焦るほどに目が覚めてしまう…という経験は不眠症の人に共通しています。
不眠が続くうちに目どこに向かうだけで緊張してしまう、という経験はないでしょうか。
夜になるのが憂鬱になっていませんか。
そのようなときは「どうせいつかは眠くなるのだから、眠くなるまで起きていよう」くらいに割り切った考えをしましょう。

そのほかにどんな睡眠障害があるの?

そのほかにも快適な睡眠を邪魔する障害があります。
むずむず脚症候群、周期性四肢症候群、睡眠時随伴症があります。
睡眠時随伴症の中には、睡眠時遊行症=夢遊病、睡眠時驚愕症、悪夢、レム睡眠行動障害があります。
すべての症状について、不調が続くようなら、医師に相談することをお勧めします。医師に相談


むずむず脚症候群とは?

眠ろうとベッドに入ると、足がむずむず、不快感が生じ、じっとしていられない感覚があります。
変わった病名ですが、れっきとした病気です。


周期性四肢運動障害とは?

夜寝ている間に、自分の意思とは関係なしに手足がけいれんしてしまいます。
何度も目が覚めて、熟睡できません。


睡眠時随伴症4つ

睡眠時遊行症=夢遊病とは?

深く眠っている間に無意識の行動をとってしまう症状のことを言います。
手足を動かした後、同じ動作を繰り返したり、意識がない状態で歩き回ったりします。
小説やドラマの中で不可思議な現象として、たびたび取り上げられることがあります。

睡眠時驚愕症とは?

眠っている途中に、突然悲鳴を上げたり、泣き出してしまうこともあります。
起き上がった時に寝ぼけた状態で、ヒステリックな行動をとってしまうこともあります。

悪夢とは?

眠っているときに鮮やかで生々しい夢を見てしまいます。
強い不安、恐怖、命の危険などを感じてうなされながら目が覚める現象のことです。

レム睡眠行動障害とは?

夢の中の出来事が行動となって現れる現象のことを言います。
夢を見て大声で寝言を言ったり、手をばたつかせたり体を激しく動かしたりすることがあります。

睡眠呼吸障害とは?

睡眠障害の1つです。不眠症男性
睡眠中に異常な呼吸を示す病気の総称です。
代表的な疾患は睡眠時無呼吸症候群で、夜眠っている間に何度も呼吸が止まります。
新幹線の運転手やトラックの運転手など、人命にかかわる職業についている人の中にもこの病気が隠れていることが話題になりました。


睡眠時無呼吸症候群の発見の仕方

家族などの同居者がいない場合、この病気の発見は非常に遅れる場合があります。
特に自覚症状がないままにその状態を悪化させている場合、深刻な問題を引き起こしてしまう場合があります。
また、同居者がいてもこの病気に関する知識を持っていなければ、たんに「いびきをかきやすいだけ」としか認識されないで、治療が遅れる場合もあります。
睡眠時無呼吸症候群で、患者が深刻な問題を起こす前に同居している人の寝ている状態を一度観察してみるのもいかがでしょうか。


特有のいびきに注意

睡眠時無呼吸症候群に特有のいびきは、通常の一定のリズムではありません。
しばらく無音の状態の後、とても大きな音を発するという特徴があります。


深刻な問題の例

睡眠時無呼吸症候群の患者が引き起こした深刻な問題の例が、自動車事故です。
自動車の運転中に強い眠気が生じ、運転操作を誤ったために、人身事故に発展した例もあります。
患者が起こした事故の報道によって、この病気が社会的に知られるようになりました。

概日リズム睡眠障害とは?

勤務体制

昼と夜のサイクルと体内時計のリズムが合わないため、1日の中で寝たいときに睡眠をとることができす、日常生活に困難をきたす睡眠障害です。
例えば、工事現場や24時間営業のコンビニエンスストアなどで交代制の勤務を続けていると、昼夜逆転の生活が体内時計のリズムを狂わせてしまいます。


症状

出勤、登校、その他の社会生活において求められる通常の時間寝起きすることができません
もしも、概日リズム睡眠障害の人が自分の体内時計のとおりに寝起きすることが許されたなた、その日とは十分な睡眠をとることができます。
睡眠の質も通常通りです。

概日リズム=体内時計とは?

人間は、約24時間周期の体内時計を持っていて、これによって一日の生活を送ります
体内時計の影響によって、時間が経過するにしたがって眠気がやってくるわけではありません。
眠気と睡眠は、十分な時間の睡眠から目覚めてどのくらいの時間が経過したか、ということを基本にやってきます。


対処法

  • 昼寝やカフェインなどの刺激物を避ける
  • 睡眠の時以外にベッドに入らないようにする
  • 昼間30~60分間、日光に当たる
  • 自然な眠りをもたらす薬や、覚醒をもたらす薬、短時間用の睡眠薬などを使用する
  • 毎日1~2時間ずつ寝る時間を遅らせたり早めたりして、睡眠に入る時間を調節する

過眠症とは?

睡眠障害の1つです。快眠
過眠症とは、夜十分な睡眠をとっているにもかかわらず、日中に強い眠気が生じ起きているのが困難になる状態のことを指します。
日中の眠気がある点では不眠症と同じですが、夜に睡眠がとれている点が多きく違います。


過眠症の主なタイプ

ナルコレプシー

症状としては、日中の耐え難いほどの眠気と居眠りが繰り返し生じます。
居眠りは長くても30分以内と短く、目覚めた後は一時的にすっきりします。
笑ったり、怒ったりすると突然体の力が入らなくなり、ひどいときにはへたりこんでしまうときもあります。
寝た直後に金縛りにあったり、現実と夢との区別がつかないような体験をします。

特発性過眠症

症状としては、昼間の眠気と居眠りがあります。
居眠りは1時間以上続き、寝ざめたあとはすっきりと覚醒できずに眠気が続く場合が多いようです。
夜間の睡眠が10時間以上とかなり長い場合があります。

反復性過眠症

症状としては、強い眠気がやってくる時期が3日~3週間続き、自然に回復して全く症状がなくなります。
しかし、その後不定期の間隔で強い眠気が繰り返し訪れます。


非常にまれな発症

ナルコレプシー、特発性過眠症、反復性過眠症ともに、病気になる人は世界中で1000~2000人に1人と非常にまれです。
過眠症がもとで、日常生活に支障を来すようであれば、一度医師の診察を受けてみてはいかがでしょうか。

睡眠障害に対する対処法を知りましょう

疑問睡眠障害の原因には、心理的原因、身体的原因、精神医学的原因、薬理学的原因、生理学的原因の5つがあります。
原因によって対処法は異なり、生活習慣を見直すだけで大丈夫な場合や、医師による診断が必要になる場合があります。


ひとことに対処法と言っても色々

心理的原因の場合の対処法とは?

特に眠れなくなった前後の出来事を、詳しく検討することで明らかになってくることがあります。
ストレスの中身を検証し、解決することができそうだったら解決し、自分一人では解決しにくいと感じたら身近な人、カウンセラーなどに相談しましょう。

身体的原因の対処法とは?

体の病気や症状を治療することで改善することができるかもしれません。
医療機関で痛み止め、かゆみ止めの薬を処方してもらうことが効果的です。

精神医学的原因の対処法とは?

心療内科や精神科などの専門医に相談しましょう。
適切な治療が必要な場合があります。

薬理学的原因への対処法とは?

飲んでいる薬、飲酒、喫煙、カフェインの摂取の習慣がないかを確認しましょう。
ドリンク剤には意外とカフェインが多く含まれているので、注意しましょう。

生理学的原因への対処法とは?

まずは少しでも眠りやすい住環境を整えましょう
例えば、就寝前には照明を落とし、起床時には付けるなど、光をコントロールすることで、心と体がリラックスできるように工夫しましょう。

睡眠障害の原因を知りましょう

睡眠障害には、不眠症を含め様々な種類がありますが、原因はほぼ共通しています。
それは、心理的原因、身体的原因、精神医学的原因、薬理学的原因、生理学的原因の5つです。
原因は人によって様々です。
原因によって生活習慣を見直すだけで大丈夫な場合や、医師による診断が必要になる場合があります。


原因となり得るコト

心理的原因とは?

何らかのストレスに関連しておこる不眠です。仕事のストレス
例えば、発散できないほどの、身近な人の死や仕事関係、人間関係で悩んではいないでしょうか。

身体的原因とは?

体の病気や症状が原因で起こる不眠です。身体的原因
例えば、外傷や関節痛などの痛みを伴う疾患に悩まされて、眠れないこともあるかもしれません。
湿疹やじんましんなどのかゆみを伴う疾患に、眠りにつくことができないかもしれません。

精神医学的原因とは?

精神や神経に関連する病気には、不眠を伴うことが少なくありません。
中でも不眠に陥りやすいのは、不安と抑うつの状態です。
うつ病が原因で眠れなくなることがあります。精神不安定

薬理学的原因とは?

飲んでいる薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠です。
不眠を引き起こす可能性のある代表的な薬には、抗がん剤、自律神経・中枢神経に働きかける薬、ステロイドなどがあります。

生理学的原因とは?

睡眠を妨げる環境にいることで、不眠になることがあります
海外旅行や出張による時差ボケや、受験勉強や職場の勤務シフトなどによる生活リズムの昼夜逆転などが考えられます。勤務体制
生活スタイルが大きく変わると、眠ろうとする機能が低下し、眠る機会が妨げられることがあります。

不眠症とはどのようなものか?

不眠症男性睡眠障害の1種です。
夜寝つきが悪い、眠りを維持できない、朝早く目が覚める、眠りが浅く十分眠った感じがしないなどの症状が続きます。
よく眠れないために日中の眠気、注意力の散漫、疲れや様々な体調不良が起こる状態を指します。


不眠症は普通の病気

不眠症は特殊な病気ではありません。
日本人を対象にした調査によれば、5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」「何タカの不眠症状がある」と回答しています。
年齢を重ねるうちに不眠は増えていきます。
そのため不眠症の治療のために、病院にかかっている20人に1人が睡眠薬を服用しているといわれています。
不眠症はよくある普通の病気なのです。


時間は関係ない

睡眠時間が短いことや目覚める回数が多いことが、必ずしも不眠症につながるわけではありません。
睡眠時間には個人差があるのです。
3時間ほどの睡眠で満足という人もいれば、10時間ほど眠らないと寝足りなさを覚える人もいます。
不眠症は、睡眠時間や目覚める回数にかかわりなく「睡眠によって、日中に問題が生じる」ことが問題なのです。

不眠症は睡眠障害の1つ

睡眠障害には、5つの種類があります。月
その中に、なかなか眠りにつけない、寝てもすぐに起きてしまうといった不眠症も含まれています。
睡眠障害には、不眠症、過眠症、概日リズム障害、睡眠呼吸障害、その他の睡眠障害があります。


睡眠障害のそれぞれの特徴

不眠症とは

夜寝つきが悪い、眠りを維持できない、朝早く目が覚める、眠りが浅く十分に眠った気がしない、などの症状が続くことを指します。
よく眠れないために日中の眠気、注意力の散漫、疲れやすいなどの様々な体調不良が起こります。

過眠症とは

夜眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気が生じ、起きているのが難しい状態のことを指します。
夜に睡眠を十分にとっている場合が多いため、不眠症の症状ではありません。

概日リズム睡眠障害とは

昼夜のサイクルと体内時計のリズムが合わない状態です。
1日の中で社会的に求められる、または自分が眠りたいときに睡眠をとることができず、日中の活動が難しくなります。

睡眠呼吸障害とは

睡眠中に異常な呼吸を示す状態の総称です。
代表的な疾患に睡眠時無呼吸症候群があり、夜間睡眠中に何度も呼吸が止まってしまいます。

その他の睡眠障害とは

  • むずむず脚症候群・・・眠ろうとすると、足にむずむず感・何とも言えない不快感・虫が這う感じなど異常な感覚があり、じっとしていられなくて眠ることができない
  • 周期性四肢運動障害・・・夜に寝ていると、手や足が勝手にぴくついて何度も目が覚めて深く眠れない症状
  • 睡眠時随伴症・・・寝ている間や、眠りにつくとき、覚醒するときにおこる様々な不快感を伴う現象の総称